岩手県保護司会連合会について

会長あいさつ

 岩手県保護司会連合会のホームページをご覧いただき、心より御礼申し上げます。日頃より更生保護活動に温かいご理解とご支援を賜り、深く感謝申し上げます。

 保護司は、更生保護法に基づき法務大臣から委嘱される非常勤の国家公務員であり、地域社会における犯罪予防と再犯防止を担う重要な役割を果たしています。地域の一員として寄り添い、悩みや不安を抱える人々の再出発を支えるとともに、社会全体の安全と安心を守るための「地域の力」を結集する役割も担っています。

 盛岡保護観察所管内には14の保護区が設定されており、それぞれの保護区に「地区保護司会」が組織されており、14保護司会の連合体が「岩手県保護司会連合会」です。

更生保護の理念と立法趣旨

 更生保護法第1条は、その目的を「犯罪をした者及び非行のある少年の改善更生を図り、再犯を防止し、もって社会を保護する」と定めています。この「社会を保護する」という文言には、更生保護の法益が“社会そのもの”にあるという明確な理念が込められています。

 すなわち、更生保護は、個々の改善更生を支援する福祉的側面にとどまらず、地域社会の安全と秩序を維持し、誰もが安心して暮らせる環境を守るという、社会全体の利益を実現する制度です。

 法の目的を達成するためには、矯正施設での処遇と地域社会において福祉・医療・教育・就労に携わる方々との連携ものと、再出発を図る人々が孤立せずに地域の一員として歩み出せる環境を整えることが不可欠です。

再犯防止の現状と課題

― 満期釈放者と仮釈放者の再入率の違い ―

近年、国の再犯防止施策の推進により、出所者全体の再入率は改善傾向にあります。しかし、満期釈放者と仮釈放者の間には依然として大きな差が見られます。

  • 満期釈放者の2年以内再入率:23.3

  • 仮釈放者(保護観察付)の2年以内再入率:10.2
    (いずれも2019年の統計)

この差は、仮釈放者が保護観察を通じて継続的な支援を受けられる一方、満期釈放者は社会内での支援につながる機会が限られていることが背景にあります。住居の確保や就労支援など、地域での受け皿が十分でない場合、再び孤立し、再犯に至るリスクが高まります。

だからこそ、地域社会における支援体制の強化、そして保護司をはじめとする民間協力者の活動が、これまで以上に重要となっています。

社会啓発の重要性

「更生保護」への理解が地域の安全をつくる ―

更生保護の理念を実現するためには、地域の皆さま一人ひとりの理解と参加が欠かせません。犯罪や非行の背景には、孤立、貧困、家庭環境、依存症など、複雑な事情が絡み合っています。
こうした課題に向き合い、再び地域の一員として歩み出すためには、偏見をなくし、支え合う地域の力が必要です。

 保護司会では、学校・企業・自治体・地域団体と連携し、講演会や広報活動を通じて更生保護の意義を広く発信しています。更生保護の理解が広がることは、犯罪のない安全な地域づくりに直結します。

結びに

岩手県は、互いに助け合い、困難に立ち向かう力を持つ地域です。私たち保護司は、その精神を胸に、再犯防止と地域の安全のために活動を続けてまいります。
今後とも、更生保護活動への温かいご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

山内会長

岩手県保護司会連合会
会長  山内隆文